エスプレッソにおすすめのコーヒー豆の選び方と家庭用エスプレッソマシンの使用手順を解説!
各メーカーからさまざまな種類が販売されている家庭用エスプレッソマシンは、自宅で簡単に本格的なコーヒーが楽しめるので、コーヒー好きには必須のアイテムです。これから購入を検討している方は、その使い方が気になるのではないでしょうか。
今回は、家庭用エスプレッソマシンの使用手順やエスプレッソにおすすめのコーヒー豆の選び方などについても紹介します。
もくじ
そもそもエスプレッソとは?
エスプレッソと聞くと、なんとなく濃いコーヒーをイメージする方も多いかもしれません。まずはエスプレッソとはどんなものなのか正しく把握しておきましょう。
エスプレッソの仕組み
まずは、一般的なドリップコーヒーとは異なるエスプレッソの仕組みについて紹介しましょう。エスプレッソは、エスプレッソマシンで細挽きのコーヒー粉が高い圧力のかかった高温の湯の中で瞬時に抽出されることでできあがります。
抽出時間が短いためコーヒーの雑味が少なく、高温と高圧力で抽出されるため乳化してトロッとした質感を楽しめるのがエスプレッソの特徴です。
エスプレッソの誕生と普及
エスプレッソはマシンで淹れるもので、エスプレッソの歴史はそのままエスプレッソマシンの歴史でもあります。エスプレッソは短時間で抽出することから、「急行(express)」という言葉が語源となりました。
1901年に世界で初めてエスプレッソマシンが開発されましたが、これは蒸気機関車をヒントにつくられたのです。当時はかなり大型なものでしたが、やがて1950年代イタリアで、現在多く用いられている電気式の実用的なエスプレッソマシンが誕生。
その後、エスプレッソはマシンの改良とともに世界中に普及し、昨今では家庭用のエスプレッソマシンも多く流通しています。
家庭用エスプレッソマシンを購入するメリット・デメリット
最近では、さまざまな種類の家庭用エスプレッソマシンが普及していますが、家庭用エスプレッソマシンを購入すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
家庭用エスプレッソマシンのメリット
コーヒー好きの方にとっては、家庭用エスプレッソマシンを購入することでさまざまなメリットがあります。もっとも大きなメリットは、カフェに行かなくても自宅で本格的なコーヒーが楽しめることではないでしょうか。
自分でコーヒー豆を選べるので、好みにぴったりの味をつくり出せるのも嬉しいポイントです。カフェに行く必要がなくなるので、ついついスイーツなども一緒に頼んでしまい意外に大きな出費になるカフェ代を節約できるという副次的なメリットもあります。
そのほか、来客の際にマシンで淹れた本格的なコーヒーを出すと喜ばれること、ラテアートやアレンジコーヒーも作れることなどもメリットとして挙げられるでしょう。
家庭用エスプレッソマシンのデメリット
コーヒー好きにはメリットの多い家庭用エスプレッソマシンですが、少なからずデメリットも存在します。たとえば、マシン本体の購入にある程度の費用がかかること、使用ごとに毎回メンテナンスをする手間がかかること、マシンを設置するために大きなスペースが必要なことなどが挙げられるでしょう。
家庭用エスプレッソマシンの価格は、高いものだと10万円を超えるものもあり、大きな初期投資が必要となります。しかし、カフェに行かなくても自宅で本格的なコーヒーが楽しめるようになるので、メリットの方が上回ると感じる方も多いのではないでしょうか。
家庭用エスプレッソマシンの使用手順
次に、家庭用エスプレッソマシンの使い方を簡単に紹介します。
コーヒー豆を挽く
まずは、自分でコーヒー豆を挽くところから始まります。マシンによっては自動で挽いてくれるものもあるようです。
豆の挽き具合も細かく調整する必要があり、マシンによっては極細挽きにしてしまうと細かすぎて詰まってしまい、抽出不全や機械の故障を引き起こす恐れもあるため注意しましょう。
ドーシング・レベリング・タンピング
コーヒー豆の準備ができたら、マシン本体の電源を入れて粉をはめていない状態で湯通しをします。本体がきちんと機能していることを確認できたら、タオルなどで水分をしっかり拭き取っておきましょう。
いよいよコーヒー豆をポルタフィルターに詰めていきます。まずは山高にコーヒー豆を入れるドーシング、次に人差し指を使って粉を平にならすレベリング、最後にダンパーで粉を押し固めるダンピングを行って準備完了です。
エスプレッソを抽出する
準備ができたら、ポルタフィルターを本体にセットして抽出をしていきます。ポルタフィルターをセットしたら、できるだけ早めに抽出を行うようにしましょう。
抽出口の下にデミタスカップやショットグラスをセットしたらマシンのスイッチを押し、抽出が終わるまで待つだけです。
エスプレッソコーヒー豆とは
エスプレッソは、極細挽きにしているコーヒー豆を使って、エスプレッソマシンで圧力をかけて抽出したものです。お湯をコーヒーの粉の中に瞬間的に通して作ります。
エスプレッソコーヒー豆は、通常のコーヒー豆との違いはありません。ただし、コーヒー豆の中で、エスプレッソに合うものとそうでないものがあります。
そのため、エスプレッソコーヒー豆と呼ばれることがあるのです。ではエスプレッソコーヒー豆は、どのようなコーヒー豆が使われているのでしょうか。
エスプレッソコーヒー豆の特徴として、焙煎度合いが中煎りから深煎りでブレンドされているものが多いとされています。
エスプレッソコーヒー豆の選び方
エスプレッソコーヒー豆を選ぶ場合、どのような点を比較して選ぶとよいのでしょうか。選び方のポイントをまとめておきます。
産地での違い
エスプレッソコーヒーは、コーヒー豆の産地で味や香りに違いが出てきます。たとえば、コナと呼ばれるアラビカ種のコーヒー豆の場合は、酸味が柔らかくなめらかな口当たりを楽しめます。
それからコロンビアと呼ばれるコーヒー豆の場合は、甘い香りとマイルドな酸味が特徴的です。ジャマイカは、芳醇なコクがあり甘い香りも楽しめる上品な味わい、ブラジルはしっかりした苦みがあり単体よりもブレンドされることが多いです。
エチオピアは、モカとして人気で果実のような酸味が楽しめます。自分が飲みたいエスプレッソはどのような味わいなのかにより選ぶとよいでしょう。
焙煎度合いでの違い
コーヒー豆は、焙煎度合いで味わいが変わります。一般的にエスプレッソはシティ・フルシティ・フレンチがおすすめといわれています。
シティは中深煎り、フルシティとフレンチは深煎りです。中深煎りは、バランスがよい味わいでコーヒー独特の苦みとコクがあります。深煎りは、酸味控えめ、苦みも感じられる味わいです。
コーヒーは、焙煎することで酸味が甘みに変化していくので、浅く焙煎されていると酸味が香り立ちフルーティーな味わいとなります。コーヒーの苦みが苦手な場合は、浅煎りがよいでしょう。
酸味が苦手なら、深煎りがおすすめです。
挽き方の違い
コーヒー豆は挽き方でも味に違いが出ます。荒挽きすればすっきりした味わい、細かくすればするほどコクが際立ちます。
ブレンドされているかどうか
コーヒー豆は100%単体ではなく、ブレンドされているものも多くあります。異なる種類のブレンドで、アロマを感じる濃厚な味わい、コクと深みがある味わいになるのです。
もちろん100%の豆でも美味しく味わえるコーヒーはあるので、好みで探してみましょう。
エスプレッソにおすすめのコーヒー豆
エスプレッソでは、どのようなコーヒー豆を使うとよいのでしょうか。おすすめのコーヒー豆をご紹介します。
カークランドシグネチャースターバックスローストエスプレッソコーヒー
スターバックスのコーヒー豆でカフェラテに合うと人気のコーヒー豆です。やや苦みがありますが、甘みも感じられる豆で、酸味が少なくコクと香りもしっかりと楽しめます。
深煎りされていてナッツのような香ばしさもあるといわれています。
カークランドオーガニックビーンホールブレンドミディアムダークローストコーヒー
しっかりと焙煎されているコーヒー豆で、苦みが強すぎない飲みやすい味わいです。バランスの取れた味わいなので、飲みやすさを重視している方におすすめです。
オーガニックコーヒーという点も魅力です。
デロンギムセッティパラディッソコーヒー豆
アラビカ種とロブスタ種を使用したコーヒー豆で、イタリアの伝統的な製法で焙煎しています。イタリアンエスプレッソをブラックで楽しみたい人におすすめです。
キンボエスプレッソ豆トップフレーバー
本場ナポリのコーヒーを味わえます。世界中にファンがいるといわれているコーヒー豆です。ナポリコーヒーならではのコクと深みのある味わいがポイントです。
ややスパイシーさも感じられるコーヒーが味わえます。ナチュラル製法の最高級アラビカ種が100%使われています。
エスプレッソマシンを使う工程で必要とされるタンピングの意味とコツ
美味しいエスプレッソを飲みたいという場合、淹れ方や温度などいろいろと工夫する必要があります。ここでは、淹れる工程で必要になってくるタンピングについてまとめておきます。
エスプレッソが好きな方や、毎日飲むという方はぜひ参考にして、美味しいエスプレッソを飲みましょう。
そもそもタンピングとはどんなもの?
エスプレッソを淹れる際は、コーヒー豆を容器にセットして粉を水平にならしたあと、固めるという作業をしなければいけません。この固める作業をタンピングといいます。
タンピングを行わなければいけない理由は、エスプレッソを淹れる際に圧力をかけて抽出するからです。圧力をかけてお湯を一気に浸透させる際に、粉の密度が均一になっていないと、キレイに抽出されません。
そのため、粉を固めるように圧力をかけるタンピングの作業が必要になるのです。タンピングをする際は、フィルターバスケット、ポルタフィルター、タンパー、計量スプーンなどが必要になってきます。
これらは、エスプレッソマシンを購入した際に付属品としてついてくることがほとんどですが、付属されているものでは使いにくい、より美味しい味に仕上げたいというような理由から、新たに買い直しする人もいます。フィルターバスケットは、コーヒーの粉を入れるバスケットです。
これはマシン専用のモノを使うことになります。ポルタフィルターもマシン専用のモノが必須です。付属品とは別のものを使う可能性があるのが、タンパーです。
コーヒーの粉に圧をかける道具なのですが、付属されている場合、プラスチック製が多く、圧がうまくかからないのです。もちろんプラスチック製でも専用のものとしてついているので、圧がかけられないわけではありません。
しっかりタンピングできれば付属品でも充分です。もし使いにくいという場合や、味がイマイチと感じるなら、タンパーを別途購入してみましょう。
コーヒー用の計量スプーンは、コーヒーの粉を計る際に使います。きちんと計量することが美味しいエスプレッソを仕上げるコツです。
タンピングの加減でエスプレッソの味わいが決まる
エスプレッソの味を左右するタンピングですが、圧をかけるといっても、どれくらいの力加減がよいのかわかりにくいですね。タンピングの加減で味が変わってくるといわれているので、できるだけいつも同じ強さでしなければ、同じ味に仕上げることができなくなってしまいます。
適した圧は15~20kgだそうです。実際にタンパーを持って体重計を押してみて、どれくらいの力が加わっているのか計測してみるのもおすすめです。
タンピングの強さは、強くても弱くてもダメなので、自分好みの圧を見つける工夫をしてみましょう。タンピングが強いと、苦みや渋みが強い仕上がりになり、反対に弱いと酸味が出やすいです。
エスプレッソを淹れるための3ステップとコツ
エスプレッソを淹れる手順は、大きく分けると3つの工程にできます。まずは、挽いたコーヒー豆をフィルターに詰める作業です。これをドーシングと呼びます。
次に、詰めたコーヒーの粉を均一にします。これをレベリングと呼ぶようです。そして均一にならした粉を押し固めます。
これがタンピングです。美味しいエスプレッソにするためには、それぞれの工程を丁寧に行う必要があるのです。
ドーシングのポイント
豆を選ぶ際は、深入りのものがおすすめでしょう。エスプレッソの場合は、豆を細かく挽くのでエスプレッソ専用のグラインダーで豆を挽くことをおすすめします。
挽いた豆を長期保存していると、風味が落ちてしまうのでできるだけ挽いてすぐのものを使うようにしましょう。
レベリングのポイント
レベリングは、バスケット内に挽いたコーヒー豆を入れる作業です。均一になるように丁寧に敷き詰めましょう。
タンピングのポイント
タンピングは、コーヒーの粉を押し固める作業です。粉にも圧力をしっかりとかけておかなければ、エスプレッソを抽出する際の圧にたえることができません。
お湯で粉がよれてしまって抽出にムラが出てしまうのです。
上手なタンピング方法とコツ
「タンピングが思うようにできない…」という人のために上手に行う方法を紹介します。タンピングの際は、コーヒー豆を上から押さえましょう。
傾いてしまうとキレイに圧がかかりません。真上からタンパーを押して圧をかけます。
タンピングがうまくできているかは、抽出し終わったカスをみるとわかります。カスはコーヒーケーキと呼ばれるのですが、これがコロンっと取れるとタンピングがキレイにできていることになるでしょう。
タンピングがうまくできない場合は、タンパーをプッシュタンパーに変えてみることもひとつの方法です。
エスプレッソマシンを使用してラテアートを作るまでの手順とデザイン
エスプレッソマシンでは、ラテアートを作りやすい上質なエスプレッソを抽出できます。ラテアートを自宅で体験したくて、エスプレッソマシンの購入を検討する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、次にラテアートを作るために必要な道具・材料や手順、初めての方におすすめのラテアートデザインなどについて解説します。
ラテアートを作るために必要な道具・材料
ラテアートを作るために必要な主な道具は、エスプレッソマシン、ミルクピッチャー、ラテカップです。ラテアートに適している家庭用エスプレッソマシンがあるので、購入を考えている方は検討されるとよいでしょう。
ラテアートの基本はミルクピッチャーのみでラテアートを描く、フリーポアラテアートです。そのためミルクピッチャーは必ず準備する必要があります。
ミルクピッチャーには、約350ml(12oz)、約500ml(16oz)、約600ml(20oz)などのサイズがあります。ラテカップがよく使われる、一般的な大きさであれば、約350(12oz)サイズのミルクピッチャーが使いやすいサイズです。
ラテアートをするときには、カップの形や大きさも大切なポイントです。フリーポアラテアートは、ミルクピッチャーからカップに、ミルクを注ぎ入れるときに発生する対流を利用して絵を描きます。
ラテカップの形状によって対流の起こりやすさが違ってくるので、適した形のカップを準備しましょう。ラテカップの形状によって、ラテアートの上達の早さも違ってくるといわれています。
もうひとつの方法のエッチングラテアートには、スプーンや、カクテルピックや楊枝なども必要です。ラテアートを作るために必要な材料は、中煎りから深煎りの極細挽きのコーヒー豆、ミルクです。
好みにもよりますが、深煎りのコーヒー豆の方が、スチームによって薄まるミルクとのバランスがとりやすくなります。ミルクは成分無調整牛乳が、泡立ちやすくミルク本来の味わいがあるのでおすすめです。
成分無調整牛乳は、製造工程で牛乳成分を調整していないため、季節によって成分や味も変化します。ラテアートの仕上がりにも影響するので、パッケージに表示されている成分を確認するとよいでしょう。
エスプレッソマシンを使用してラテアートを作るまでの手順
ラテアートを作る手順として、まずエスプレッソを淹れます。本格的なエスプレッソを抽出するにはエスプレッソマシンの使用がおすすめです。
エスプレッソマシン付属のポルタフィルターという器具に、エスプレッソ用に挽いた豆を詰めるドーシング作業をします。次にポルタフィルターの豆をタンパーで押し込めるタンピングを行います。
その後ポルタフィルターをエスプレッソマシンに取り付け、エスプレッソを抽出します。エスプレッソマシンでエスプレッソを抽出している間に、スチームミルクを作ります。
ミルクピッチャーにミルクを注ぎ、スチームを当てながら混ぜ、泡と液体をなじませて完成。温めすぎるとミルクの風味が損なわれるので、60~70℃になるまでには泡立てを終わらせるのがコツです。
気泡が小さく、きめ細かい泡になっているのがよい状態です。混ぜながら、スチームミルクを作りますが、その後もミルクピッチャーを軽く回しながら、泡とミルクを混ぜ合わせます。
ホットミルクと細かい泡部分が分離するのを避けるためです。カップから10cm程度ミルクピッチャーを離し、カップを斜めにして一番深いところをめがけてミルクを注ぎます。
液面がカップの二分の一くらいになったら、カップとミルクピッチャーの位置を近づけるのがコツです。
初めての方におすすめのラテアートデザイン
初めての方におすすめのラテアートデザインは、シンプルなデザインから始めるとよいでしょう。ラテアートは、フリーポアとエッチングという2種類の方法がありますが、初めての方はフリーポアから練習するのがおすすめです。
フリーポアは抽出したエスプレッソに、ミルクを注いで描く方法で、ハート型やリーフ型などのラテアートは、この方法で描かれています。ハート型のラテアートデザインが初めての方にも一番作りやすいでしょう。
丸型を作るようにスチームミルクを注ぎ、液面がカップの縁いっぱいに近づいてきたら、ミルクピッチャーを持ち上げながら奥側に動かすとハートの形になります。ハート型ができるようになったら、少し難易度が上がるリーフ型にも挑戦してみましょう。
難易度が上がる理由としては、ハート型のときには行わないミルクピッチャーを振る、という動作が必要な点です。リーフ型はハート型と違い、ミルクを流すようにしながら描くため、カップの中の対流がより大切なポイントとなります。
ミルクピッチャーの先を左右にゆっくり動かしながらミルクを入れ、最後に真ん中部分を切るようにミルクを注いだらリーフ型のできあがりです。
まとめ
家庭用エスプレッソマシンがあれば、自宅にいながらにしてカフェのように美味しい本格コーヒーを味わえます。最近では、さまざまな機能を備えた家庭用エスプレッソマシンが普及していて、価格もリーズナブルなものから10万円を超えるものまでさまざまです。
味や性能、価格、デザイン、メンテナンスのしやすさなどさまざまな視点で優先順位をつけ、ぜひ自分にぴったりの一台を見つけてみてください。